名無し教員

学生と雑談する際に、誰か別の先生の講義の話題になったりする。そんなとき、

「あー、XXX曜日の午後はXXXXの授業だから、セミナーはできないわけね。ところで、そのXXXXXは誰が担当されてるの?」

などと質問すると、先生の名前が出てこないことが結構多い。

先生が人間的につまらないから興味が持てないのか、「知る必要」の無いものは意識的に記憶しないようにしているのか、理由はよく判らない。ともあれ、名前を覚えてもらえないというのは、人としての存在が意識されていないわけで、教員側としてはちょっとサビシイ事態だ。いっそ、インパクトのある芸名を使うようにしてみようか。「統計物理学特論(担当:デーモン・ハヤカワ)」とか。

教養部の頃、「鬼」のレッテルを貼られ、学生の間でしばしば話題に上り、なんだかんだとケチを付けられていた名物教官が何人かいた。直接教わったことのない先生でも、何故か名前だけはちゃんと覚えているのは、友人を通じて、僕はその先生から実は何かを教わっていたのかもしれない。


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