デスクワークばかりでも、時間が来れば、きちんとお腹が減る。授業や会議が無い日には、混み出す少し前に大学生協の食堂にでかけて、同僚達となんだかんだとボヤきながら(ボヤキを聞きながら)、昼食をいただく。
食堂と言えば、きちんとした料理人が仕切っている厨房というのは、単位時間当たりの作業量はただならぬものがあるにも関わらず、そこには「忙しい」とはちょっと異なる雰囲気が漂っている。適度な緊張感が持続し、仕事に無駄がない。
それに対して、あまり流行らない食堂が、何かの拍子に急に混んだりすると、給仕する側も、厨房の中も、なんだかとても忙しそうになって、店全体が殺気だってくる。そういった状況ではミスも起こりやすくて、たまに食器をひっくり返す音が鳴り響いたりする。そして、客は何だか自分が悪いことをしたような気分にさえさせられ、早くその場を立ち去りたいと思う。
理想としては、研究室も前者のようにありたいと思うのですが、そのためには、どこか一流どころで修行し直す必要があるのかしらん。私の実家は旅館なので、その厨房を仕切っている弟から再教育を受けるのが安上がりかもしれない。家族はきっと「使えない」兄の様子を見て、彼に家業を託さなくて良かったと、心から安堵の情に包まれるであろう。