二次方程式

1年生の「情報基礎」を毎年担当しているが、所属学部もばらばらの130名(ただし全員理科系)を相手に、実習を交えながら講義をすすめるのは、なかなか骨が折れる。全学で決められたシラバスに沿って(少々逸脱もしていますが)、プログラミングの初歩も教えなければならないのだけれど、大多数の学生からは「難しすぎる」、とか「こういうのは苦手だ」という意見が多く寄せられる。分かっていながら、私は嫌われ者を演じなければならない。

例題として、二次方程式 a x2 + b x + c = 0の係数 a, b, c から、(たぶん中学で勉強した)公式を使って解を計算し、結果をプリントするプログラムを説明した。そして、判別式が負の場合でも " 1.000 + 1.4142 i" のように、虚数解を表示できるように拡張してみなさい、という課題を出した。

WEB上にはかなり詳しい解説を掲載したつもりだし、授業中に色々とヒントを出しておいたこともあって、期限までに殆どの学生が課題の提出を終えたが、「難しすぎ!」とコメント欄に書かれているレポートがやはり多い。(その一方で、プログラミングを面白いと思った、とか、達成感があった、というポジティブな意見もあったけれども)。

もしこれが「難しすぎる」のなら、数学や物理などの科目で出される課題は、素人がフェルマーの最終定理を証明しようとするくらい、難しいのじゃなかろうか。それとも、「専門に直接関係のないオマケみたいな科目にあまり余計な手間をかけさせないでおくれ。こっちも忙しいのだから。」というメッセージとして受け取ったら、それは少々ひねくれすぎか。

川島隆太先生あたりに「プログラミングで脳トレ! −脳に効くCとJava−」といった類の本を執筆いただければ、もうちょっとやりやすくなるのになぁ、と、130名分の課題に目を通しながら、ふと思う。


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