オフィスアワー

欧米の大学では、教員がオフィスアワーを設定して、質問や相談に来た学生を個別指導する方式が一般的だそうだ。以前にアメリカの大学に滞在したとき、議論をしようとある教員の部屋に行ったら、学部学生が順番待ちで廊下まで溢れている。どうしたんだと尋ねると、「ごめん、いまオフィスアワーなんで、後にして」、とのことだった。オフィスアワーになると、いつもその部屋は学生で賑わっていて、学生たちは真剣な表情で教員と話しをしていた。

授業が終わった後に、ヒマそうにぼーっと教壇の前で立つ作戦(ヒマ人作戦)は、それを始めてからぽつりぽつりと質問に来る学生は現れるようにはなったけれど、期待したほどの効果はなかった。友人らが大勢いる前で、教員に話しかけるのは我々が想像する以上に抵抗感があるのかもしれない。

とはいえ、欧米に倣ってオフィスアワーを設けたとしても、川内の授業については、わざわざ青葉山の上まで登ってくる学生は少ないだろう。

いつものように同僚らとお昼を食べながら、じゃあ、どうやったら学生が教員をもっと「利用」しやすくなるのだろうか、と考える。例えば、こんなのはどうだろう:

川内キャンパスに、ちょうど銀行のカウンターのような造りの相談施設を作って、オフィスアワーが来ると教員はカウンターの向こう側で待機している。教員は胸に名札を付け、カウンター前には「XXXX基礎論(XXセメ)担当XXXX)」のような看板を掲げておく。カウンター毎に銀行と同じく整理券発行機が設置されており、学生はそれを引いてから、ビニールレザー張りの長椅子で自分の順番を待つ。

「(ピンポーン)はい、XX番の札をお持ちの方」

と呼び出されると、学生は教科書やノートを持って、そのカウンターに向かう。そのカウンターが込み合ってくると、客の居ない教員は

「お急ぎの方は、こちらのカウンターをどうぞ」

と声がけし、相手を選ばない学生への対応は、そちらでしてもらう。そんな場所ではまさか強盗事件は発生しないだろうから、教員と学生の間に分厚いアクリル板を設置する必要は無いだろう。

それもあまり集客効果が上がらないようだったら、カウンター形式は止めて ATM (Automated Teaching Machine) を設置することになるのだろうか。いくら便利だからって、学生がコンビニのATMで勉強するようになったら、大学はもう廃業だ。


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