歳時記
思うところあって歳時記を求め、ぱらぱらと眺める。春の小川を連想させる「めだか」が夏の季語だったり、一年中やっている「相撲」が、実は秋の季語だったりと、あちこちに発見があって面白い。
「大学歳時記」でも書いてみようか、と思って調べたら、(内容は随分と違うみたいだけれども)すでに同名の書が発行されているようだ。
以下、テキトーに書いてみた例:
- 就活
- 【春】 学生の就職活動のこと。就職協定の廃止もあって、近年では春を待たずに就職活動が本格化するようになったが、学生が真新しいスーツ姿に身を包んで歩く姿は、やはり春の風物といえよう。
就活やいちご白書をもう一度
- オリエンテーション
- 【春】 新入生が大学生活や勉強のやり方について教員や先輩から説明や指導を受けるための行事。理学部では例年バスを連ねて学外に出かけ、合宿形式で行われている。
学生もガイドも若きオリエンテーション
- 五月病
- 【春】 入学間もない学生が新しい環境への不適応によって呈する精神的な諸症状。なお、「さつき病」は別意で、秋の季語となる。
五月病になれたあの頃懐かしむ
- 液体窒素
- 【夏】 液体化した窒素。 沸点が摂氏マイナス196度と非常に低温であるため、夏場、涼を求めるために床に散布された時期もあったが、窒息の恐れが高く危険であるため、その用途には使われなくなった。
学友と液体窒素の容器押す
- オープンキャンパス
- 【夏】 入学志望者を増やすことを主眼に企画された、高校生が大学を見学する行事。7月下旬に各キャンパス同時に開催される。遠方の高校から、バスを連ねてのツアーも多い。
制服のオープンキャンパス食い入る目
- 停電
- 【夏】 商用電源の供給が何らかの理由によって停止すること。毎年、夏になると電源設備の点検のためキャンパス全域が停電となり、季節の風物として定着した。
停電でむしろはかどる手計算
- 院試
- 【秋】 大学院入学試験。学生は日頃の精進不足を悔い、教員は教育者としての資質を自問する機会。
静けさや院試の後の夜の廊下
- 科研費
- 【秋】 文部科学省と日本学術振興会が所轄している研究助成金。秋に公募の締め切りとなる。
科研費を取ってくれろと泣く子(=弟子)かな
- 地獄坂
- 【冬】 川内から理学部に通じる急な坂道。あまりに傾斜がきついため、歩行者にとっては年中「地獄」であるが、とりわけ冬場の凍結路は、アイゼン無しでは踏破が困難と言われる。
地獄坂ゴールは見えぬ研究者
- 修論
- 【新年】 博士前期二年の課程を修了し、修士号を取得するために必要な論文。正月が正念場となる。尚、D論は正月ではとても間に合わない。
コンビニの袋を脇に書く修論
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