授業評価

前期に担当した全学科目(「情報基礎B」)の授業アンケートの集計結果が学内便で届いた。僕の受け持ったクラスは、3つの学部の混成で、「お客さん」の興味や経験値がもともとかなり異なっているので、なかなか授業運営が難しい面があったのだけれども、アンケート結果はそれをはっきり反映していて、「このままで丁度良い」という意見もあったけれども、「ペースが速すぎる!」という学生のほうが多かったみたいだ。

偶然、僕が良く知っているある先生のお子さんが僕のクラスを受講していて、その先生(お父さん)から「(子供が)とても面白かったと言っていましたよ」、というお褒めの言葉(そりゃまぁ、リップサービスもあったでしょうけれど・・・)を頂戴したけれども、多くの学生にとっては、あんまり良い授業ではなかったのかもしれない。

100人くらいもいる受講者の、いったい「どの辺り」にいる学生のペースに合わせるのが良いのだろう?

ひと昔前のセンセーならば、「私は、諸君が将来研究者になることを想定して、この講義を行っているのだ」と、ある種の開き直りも許されたかもしれない。その道のプロなるための修行は、(ある意味で不条理なくらい)厳しければ厳しいほどよい。でも、そうした立場を貫けるほど、世の中の目は「甘く」はなくなってきているみたいだ。

授業が普通のサービス業と違うのは、一度単位を取得してしまうと、その授業はもう選択しなくてよい点で、つまり、はなから我々はリピーターを獲得する必要が無いわけだ。一方、旅館などの商売は、それほど数は多くなくても、一定のリピーターを獲得できるようでないと、サービスに何か問題があると見なして良いだろう。

すでに単位を取得した学生や、もともと単位は必要ないけれど興味を持った学生、「テンプラ学生」などが、わずかでもふらっと紛れ込んでくるような、そんな自由な雰囲気の授業ができるようになりたいものである。授業評価には、何の足しにもならないけれど。


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