全学の情報基礎で、LaTeXを使った文書作成の課題として、学生達に小論文を書いてもらった(一覧はこちら)。その際、提出物(PDF)を学内限定で公開することをあらかじめ断っておいた。皆に読まれる(かもしれない)ことを前提にしたほうが、緊張感が生まれるだろうし、著者の立場から公開のプロセスに立ち会うことで、知的所有権やプライバシーに関する意識を向上させようというねらいもあったからだ。
順に目を通してゆくと、ある程度予想された内容が多かったものの、ちょっと意外に感じた意見や独白もあった。
やはり目立ったのは、キャンパス間(特に川内と青葉山)の交通の便の悪さ、食堂の混雑、休憩や交流を含むキャンパス環境の未整備、さらに、そうしたことがらが直接・間接に影響しての学生間、学部間での交流の機会の少なさ、などである。これらは私がまだ学生だった頃からそう思ってきたことばかりで、ずいぶんと昔からほとんど状況は改善されていないわけだ。キャンパス間にバスを運行したり、食堂を増改築すれば、状況がかなり改善されるであろうことは誰の目にも明らかで、やるべきことは解っているのに何もできない、という、問題解決にとっては最悪の対応が長らく続いているわけだ。
教育面では、高校などと比べて明らかに見劣りする授業運営、人数が多くて学生が教室に入りきらないクラスと「じきに出席者が減るだろうから・・」と言う教員、この大学の学生を見下しているような印象を与えたり、全学の授業を嫌々担当させられているような態度を取る教員など、様々な問題を学生は感じている。
その一方で、学生が勉強に取り組む姿勢や、キャンパスでのマナーについて、学生自身の側にも問題を感じているようだ。さらに、自分自身の現状と大学で求められる内容とのギャップを感じ、何故自分が入学できた(選抜された)のかを、自問する者さえあった。いずれのケースにしても、大学側が提供しているサービスと、学生側の学力や意識の間にミスマッチがあることは明らかだろう。
大学の環境面での取り組みについて疑問を投げかける者も数名あった。教室でエアコンが無駄に使われている例などはいかにもありそうだし、号令をかけている中央官庁ほどは、省エネ意識が徹底していないのは事実だと思う。そうした指摘の中で、環境問題に関するこの大学の研究成果を、キャンパス内で実証してはどうか、という提案があった。この大学で環境問題についてどのくらい実効性のある研究が行われているのか、恥ずかしながら私はよく知らないけれども、キャンパス全体が実験の場でもあるという考え方は、まさに「研究第一主義」と言えるのではないだろうか。
そのほか、気になったことを挙げると: