真夏の出張

自分の仕事については、できるだけ出張はしないで済ませるようにしているのだけれど、大学の用事で、真夏の京都・大阪方面に出かけることになってしまった。スーツにネクタイ姿で、パソコンの入った重いカバンと先方への土産をぶら下げて、炎天下を行進する様は、誰の目にも苦行者の隊列として映ったであろう。

出張前には、「資料のとりまとめは新幹線の中でやりましょう」、とか、「そういえば、XX先生は携帯型のプリンターを持ってましたよね」、とか、「バッテリーの予備が必要だな」、とか、リーダーの方はやる気満々で、新幹線と言えば

弁当を食べる→本を読む→ウトウトする→トイレ→また本を読む→飽きた頃にぼんやりと景色を眺める→到着

というプロトコルを当然のように想定していた私には、ほとんど異文化に触れているような心地だった(実際はほとんど雑談していたけれど)。

灼熱地獄から息も絶え絶えに仙台駅に帰還すると、七夕飾りが妙に涼しげに風にたなびいていた。暦の上ではもう立秋だ。


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