はじめに

この大学の教員は誰でもISTUシステムにログインして、 どんな様子かすぐに試してみることができます。 ブログやネットの掲示板を使ったことのある人なら、マニュアルなしでも使い始められるでしょう。

懺悔

ISTU (Internet School of Tohoku University)は、インターネット経由でこの大学の正規の授業を受けて、 それできちんと単位も認定される、そんな「遠隔教育」のためのシステムとして、本邦においてはかなり早い時期に導入されました。 とは言っても、その当時の(私も含む)大多数の教員は、このシステムの理念はもとより、これを使って何が可能なのか、 あまりピンと来ていなかったもの事実で、少なくとも私の周りでこれを(積極的に)使っている人は知りませんでした。

そうこうしているうちに、ISTUを使った授業を開講するように、と、お達しがあり、 私の近所では、良く知っている(相対的に)若い教授の方が「人柱」となってくださいました。 こういう場合、「若くて」「パソコンなどのデジモノが得意」と思われている方が、(言い方は悪いですが) 便利に使われる構図は、きっとどこでも同じなんだろうと思います。

そのとき私は、正直言って、「自分に回って来なくて助かった」、と思いました。

でも、私が変わったのか、世の中が変わったのか、はたまたその両方の所為なのかはよくわかりませんが、 今は、ISTUについて、かなり違った印象を持っています。

ISTUを使うと楽になるかもしれないこと

学習管理システム(Learning Management System, LMS)
Moodle, Sakaiなどの多様なシステムが開発され、 多くの大学で採用されています。 いわゆるeラーニングのプラットフォームとしても活用されています。

しばらく前まで、私は「ISTUは映像配信のための(かなり敷居の高い)システム」と思っていました。 が、こちら方面に関係した仕事をするようになって分かったことは、ISTUの中身は、

ISTU = 結構便利な学習支援(管理)システム + 動画ストリーミングサーバー(オプション)

ということでした。

とか何とか書いておきながら、未だに 自前のウェブサーバー (このページもそう)を動かしていたりしますが・・・

10年以上前に理学部に移ってから、授業で使う教材やノートを掲載するために、自力でウェブサーバーを立ち上げて、 必要に応じてアクセス制限などもかけたりしながら、細々と運用していました。 最初は「趣味」が半分だったのですが、ログを見ると常に外部から攻撃を受け続けているので、 セキュリティーホールが見つかる度にソフトをアップデートをしなければならなかったり、 その他、細々とした手間がかさむので、サーバーのお守りはだんだんと楽しくなくなって来ました。

それとは別に、長らく全学の情報教育科目を担当していたので、100名近い(それ以上の)学生に対して レポート(主に課題プログラム)の収集と採点を行う際に、システム側から提供されていた「授業援助システム」を、かなり便利に使っていました。 出席・遅刻も自動的に記録されるので、データをダウンロードして、 成績をエクセルで集計するのも、割と簡単にできました。 こうした作業を紙ベースで行うのは(特に数が多いと)とても大変です。 そして、他の授業でも、こうしたシステムが使えれば良いのにな、と、漠然と感じていました。

以前の状態をあまりよく把握していないので、その細かい差異は伝えられませんが。

そうこうしているうちに、2010年度から、ISTUは「第二版」に進化して、 全体的な能力や使い勝手がずいぶんと向上したようです。

3.11の震災でも、復旧に時間は要したものの、データの喪失などはありませんでした。

ISTUが提供しているLMS機能を活用すると、教材の配布、レポート課題の提示・回収・集計、 ウェブ上の掲示板等を使った質問等へのケアが、「普通に」できてしまいます。 教材の配布だけ見ても、単なるダウンロードとは異なり、教材を受講者のみに公開することができますし、 それぞれの学生が確かに教材をダウンロードしたかどうかもチェックできます。 自前でウェブサーバーを維持したり、紙やメールでレポートを回収したりする手間が省けてしまうのです。 また、データのバックアップや故障や事故への対応は、専門のスタッフが責任を持って対応していますから安心です。

教務情報システム:成績を登録するのに使う、あのシステム

ISTUを使うのに、利用申請などの手続きは一切必要ありません。 教員と学生のアカウントは、あらかじめ登録済みです。ログインには東北大ID(学生は学籍番号ID)を使用します。 教務情報システムとも連動しているので、担当の授業科目(コース)は学期の初めにはすでに登録されていて、ウェブによる登録が終わった後は、 (若干のタイムラグはあるものの)受講生が自動的に自分の授業に割り当てられています。 つまり、東北大IDさえ覚えていれば(これが案外大変だったりしますが・・。でも一度ログインしておけば、後はブラウザが覚えていてくれます) 誰でもすぐに使い始めることができるということです。

以下では、いくつかの基本的な項目ごとに、ISTUの操作方法やヒントを紹介いたします。 この種の仕掛けを使うのがはじめての方は、まずは、授業の「配布資料」に使うことを目標に、試してみるのが良いと思います。 すでにDCWを使った経験のある方は、まずはこちらのページに進むのが早道かもしれません。