TurtleMessenger マニュアル
これはパソコンが並んでいる教室(パソコンが同一のLANに接続されている環境)で用いるためのレスポンス収集ソフトで、TurtleEdit(ヘルプメニューの中の「レスポンス」)やTurtleResponderと対にして使います。
概要
TurtleMessengerは、学生用のソフト(TurtleResponder)からリアルタイムにメッセージを収集したり、 「クリッカー」のように、教室で「電子投票」を行う際に用いるための、管理者(教員)用のツールです。
TurtleMessengerは
ボタンを押して動作を開始すると、LAN内に 一定間隔でブロードキャストを流します。この状態で、学生がTurtleResponder を開くと、ブロードキャストされたパケットを拾って、サーバーの IPアドレスを取得します。つまり、教員と学生のパソコンは同じLANに繋がっていなければ なりません。同時に、TurtleMessengerはTCPのサーバーとしても動作し、学生からの、メッセージや投票のデータを待ち受け、表示・集計します。
教師側の準備
このソフト(TurtleMessenger)を起動したら、次に
ボタンを押してください。 ボタンの表示が「受付中...」になっている状態が「投稿の受け付け中」です。 このボタンをもう一度押すと、投稿の受付は停止されます(トグル動作)。ボタンの下には、学生への指示を書き込む枠があります。ここに書いた指示は、学生側の ウィンドウに表示され、変更すると(ほぼ)即時的に学生側の画面に反映されます。記入可能な文字数は半角で最大約250(全角で80強)です。
通常の使用では、
ボタンと、メッセージ欄の操作だけで十分でしょう。暗証番号(パスコード) any は「誰でも投票可」にする設定
利用環境によっては、端末室内の特定の学生にだけ投票(投稿)を許可したいことがあるかもしれません。 そのような場合は、「暗証番号」として any の代わりに、パスコード(英数字の短い文字列、例えば ab123)を設定しておきます。 学生側のソフトにもパスコードの設定欄がありますから、投票を許可した学生だけにそのパスコードを告げ、設定するように指示しておきます。
「チャネル」は通常は A のままにしておきます。何らかの理由で、パソコンの通信ポートが使用できない 場合は、BまたはCを選び、学生にその旨を通知します(学生側のソフトにもチャネル設定があります)。 LAN内に同じチャネル設定のTurtleMessengerを複数走らせてはいけません。
チャネルを変更すると、通信に使用するTCPおよびUDPのポート番号が変更されます。 チャネルAは 3100, Bは3101, Cは3102になります。
受付開始ボタンの下の白い欄には、必要ならば、学生への指示を半角で250文字(全角では80文字強)以内で記入します。 記入内容は自動的に学生側ソフトのウィンドウに反映されます。 授業中にタイプする代わりに、この欄の内容をあらかじめテキストファイル(文字コードはUTF-8)で用意しておいて、ファイルから1行ずつこの欄に読み込むこともできます。 記入欄右の
をボタンを押してファイルを選び、ファイルの何行目を表示するかを、その下の矢印をクリックして選択します。学生側の準備
教員側のソフトを起動した状態で、学生用のソフトTurtleResponderを起動(またはTurtleEditのヘルプメニューからレスポンスを選択)するよう指示してください。 ソフトを起動し、投稿や投票したとき、教員側の準備(このソフトを起動して「受付開始」状態にしておく)ができていないと、学生側のパソコンには「サーバーが見つかりません」という エラーが表示されます。
教員側でパスコードやチャネルを設定した場合は、TurtleResponderのウィンドウの上段で、 教員の設定に合った設定に変更するように指示します。
TurtleResponderの画面は以下のような構成になっています:
TurtleResponder(学生用ソフト)のウィンドウ
投票(アンケート)を行う
学生用ソフトTurtleResponderのウィンドウには、0から9まで10個のラジオボタンが並んでおり、 学生はその中からひとつを選択して「送信」します(
ボタンを押したタイミングで結果が送信されます)。 数字の1には YES、2には NO, 0には ? のラベルが付けられています。学生が送信した内容は自動的に集計されるようになっています。その結果を見るには、 画面上の
ボタンを押します。 総投票数、各選択肢の投票数、そしてそれぞれの割合を表す棒グラフが別ウィンドウに表示され、その内容は2秒毎に自動更新されます。質問を変えて、新たな投票に移る際は、
ボタンを押して、集計結果をリセットしておきます。TurtleMessengerは、送られて来たデータを発信者のユーザーIDで区別して認識しています。 例えば、同じ学生が複数回送信しても、『1票』としてカウントされます。 また、ある学生が最初に"1"を選択・送信し、その後、 "2"を選択・送信した場合、2回目の送信時には"1"のカウントが1つ減り、 "2"のカウントが1つ増えることになります。
この性質を利用すると、「課題を半分までやり終えたら1を、全部終わったら2を 選んで送信してください」といった指示を出すことによって、演習などの進捗状況の 把握に役立つかもしれません。
メッセージを受け取る
学生側のTurtleResponderのウィンドウには、メッセージを書き込む欄があり、1回あたり140文字 までの長さのメッセージを送信できるようになっています。投稿の際に、ニックネーム(ハンドル名) も添えられるようになっています。
メッセージの投稿は、学生が
ボタンを押したタイミングで、投票と「同時に」行われます。メッセージのみを収集したい場合は、学生の投票結果(0-9)は無視してください。送信されてきたメッセージは、投票内容とともに時系列的に「ログ」欄(下側の区画)に表示されています。 もし受講者にもその内容を見せたい場合には、
ボタンを押すと、 新しいウィンドウが開いて、メッセージが新しい順に表示されます。 その際、ユーザーIDなどの個人情報は表示内容から省かれるようになっています。メッセージの表示ウィンドウの下側には、画面の自動更新(10秒おき)や、フォント拡大のチェックボックス があります。
結果を教室内で共有する
プロジェクタや学生用モニターに教員画像を表示する機能のある教室では、投稿等の結果を共有する手段として、 教員の画面をそのまま提示するのがいちばん簡単でしょう。加えて、ウェブブラウザで結果を表示することも可能です:
2014-07-19版以降で有効
内蔵httpサーバーはTCP 3080番ポートを使用。
Web公開を許可にチェックを入れると、投稿されたメッセージの一覧と投票結果を(TurtleMessengerに内蔵されたhttpサーバで) 教室内に公開することができます。そのページを開くには
- TurtleResponderのアイコンをクリックするか、
- 学生のパソコンのウェブブラウザで、
http://教員パソコンのIPアドレス:3080/index.html
にアクセス する(例:http://192.168.1.253:3080/index.html
)
ように指示してください。
OSとブラウザの種類と組み合わせによっては、この機能が正しく動作しない(ブラウザは起動するが、コンテンツが表示されない、等)場合があります。
ログを保存する
授業の分析や振り返りなどのため、学生からの応答内容をテキストファイルに保存しておくことができます。 ファイルメニューのログを保存を選択してください。 文字コードはUTF-8で、フィールドはタブコードで区切られています。 CSV形式のデータとして、表計算ソフトにそのまま取り込むことができます。
なお、Excelでログ・ファイルを開くと、Shift JISを想定して処理されるため、文字化けする場合があります。 その場合は、ファイルを「インポート」し、文字コード(元のファイル)に「Unicode(UTF-8)」、区切り文字に「タブ」を指定するようにします。
トラブルシュート
複数のインターフェースを持つマシンの場合、ブロードキャスト先が正しく設定されないトラブルが予想されます。 学生PCで「サーバーが見つかりません」という表示が出ているときは、以下をお試しください
- 対処法1:設定メニューのブロードキャストを選び、学生用PCが接続されている側のサブネットのブロードキャストアドレスを(10進数で)入力する。
例:
192.168.1.255
ソフトを起動した状態でブロードキャストは255.255.255.255
に設定されています。 - 対処法2:上記の設定が良くわからない場合は、学生用PCが接続されたインターフェース以外を無効にした上で、このソフトを再び立ち上げ直す。