年末年始の休みを利用して妻が日本からやって来たので、ダウンタウンやキャンパスを散歩してまわる。
秋の学期はとっくに終わり、キャンパスで見かけるのは犬の散歩をしている人くらいになって、なんだかもの寂しい。 けれども、二人でなんだかんだと言いながら写真を撮ったりするには、そのほうが好都合だ。
彼女が木の実を拾っていると、向こうから大きな犬を連れて大柄の男性がやって来た。 軽い挨拶を交わして、ふとその人の顔を見ると、犬の顔に何ともそっくりなので、思わず彼女と顔を見合わせる。
アパートに戻る頃には、太陽はもう建物の反対側を照らしていた。