雪の降る街

正月休みも終わり、妻が日本に帰るというので、国際便の飛んでいるシカゴまで見送りに出かけた。 インディアナポリスの空港までレンタカーで、そこからオヘア空港までは空路で、という計画だ。 ところが、この冬一番の寒波が中西部を襲い、空の便は大混乱。オヘア行きの我々の飛行機も4時間以上遅れることになってしまった。

どちらかというとあまりパッとしないインディアナポリスの空港ロビーでひたすら待つ。 飛行機の出発予定時刻は午後1時48分だったが、時間になっても何も「動き」が見られない。 飛行機のエンジンは止まっているし、パイロットも暇そうに出たり入ったりして、そのうち、売店で新聞を買い込んできた。 

そのうち、3時15分頃の出発を見込んでいる、とのアナウンスがあったけれども、その頃になると、今度は予定時刻が4時40分頃に先送りになった。 乗り継ぎのある客も多くて、カウンターには長蛇の列ができ、航空会社の職員達は客からの要求をさばききれず、カリカリしている。 5時を過ぎて辺りが暗くなりはじめると、我々もさすがに少し心配になってきた。 そのうちマイクで、搭乗をキャンセルしたい人はXXカウンターに並ぶべし、みたいなことも言い出した。

諦めムードになってきたころに、どうやら6時頃に搭乗できるらしい、との情報が他の客からあったので、気を取り直してそのまま待機していると、しばらくして突然搭乗のアナウンスが始まった。 どうやらその客は、職員達の連絡の様子を盗み聞きしてその情報を得たらしい・・・ 飛行機はそりのようにオヘア空港に着陸し、乗客からは拍手が起こった。

シカゴで一番の繁華街も、その夜はなんだかもの寂しかった。


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