学生のころ,カメラを下げて夜中にあちこち歩き回ったものだ。 深夜に一人で自殺の名所にでかけ,三脚をセットしてスローシャッターで風景写真を撮ってみたけれども,別段不思議なものは何も写っていなかった。
こんど入居したばかりの新しい研究棟を出て,駐車場に向かおうとしたら,コンクリートの壁に木の影が落ちていた。 昔の感覚でなんとなくデジカメを向けてはみたものの,露出調整もできないし,超小型CCDを使っているためか感度も悪くて,画面はほとんど真っ暗だ。
デジカメを構えているうちに,「こんなとこ,誰かに見られたら ちょっといやだな」と,昔なら全く気にしなかったことを気にしている自分に気づいた。