ある秋の日、みんなではらこめしを食べにでかけた。その帰り、なんだか映画のセットのような学校(跡)があったので急停車。
校長先生が朝礼するときのお立ち台や、掲揚台の隣りにはちゃんと二宮金次郎の像もあるし、土のグランド。まるで篠田正浩監督がロケに使っていそうな雰囲気だ。今はもう学校としては使われていない様子で、そこの集落の集会場か何かに転用されているようだった。
こういう木造の学校を見ると、何故かほっとする。僕が通った小学校は木造だったけれど、中学になると鉄筋コンクリート。高校になると再び木造に戻って、大学は鉄筋コンクリート。やはり思い出深いのは木造の校舎だ。けれども、そうした木造校舎は決して手の込んだ造りでもなかったし、むしろ安っぽい感じだった。
この種の木造の学校は、基本的には日本の建築様式に従って作られているようだ。柱がすべてを支えているから、窓を大きく取ることができる。上の写真でも、全面窓だ。鉄筋コンクリートの学校でもまあ似たようなものだけれど、柱の部分がどうしても太くなるので、教室内部にも張り出して、圧迫感がある。
この日本では、この先こういう開けっ広げな校舎が作られることはもうないのだろうか。