天井

室内楽のコンサートがあるというので、車で市街まで出かけた。 日曜ということで、開演は3時からだった。 明るい時間から演奏会にでかけるのは、朝風呂をするみたいで、ちょっと贅沢な気分になれる。

そのコンサートは前日にネットサーフをしていて偶然見つけた。前売りとの差額は200円で、わざわざ買いに出ると足代が余計にかさむので、チケットは当日会場で買うことにした。 余裕を持って出かけたところが開演の一時間も前に会場に着いてしまい、チケットを買ってしまうと特にすることもない。休憩用の長椅子を見つけて、そこで考えごとでもすることにする。 けれども、何を考えたらよいものかと考えているうち、面倒になってごろりと横になった。

天井には明り取りの穴が開いていて、ガラス越しに青空が見える。 ホールに入る前、ビルのガラスの壁面に映る空と雲が綺麗だったので、思わず夫婦でデジカメで撮った、その青空だ。 (派手な服でも着ていたら、林家ぺーとパー子みたいだったかもしれない・・・)。 明り取りが天井にいくつか開いているのに屋内は不思議と暗く、おそらく夜と同じように照明が灯されていた。 ためしに玄関ホール脇の階段の天井に下がっていたシャンデリア風の照明を写してみたけれども、レンズの乱反射のせいか、怪しいブルーの光が沢山写りこんでしまった。 

ハイドンとシューベルトの室内楽曲を聴きながら、あまりの心地よさについウトウトしてしまった。 宝くじでも当たったら、まだ日の高いうちに 天井の高い木造の湯屋でぬるめの風呂にゆったりと浸りながら、生の室内楽を聴いてみたいものだ。


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