比較的穏やかで暖かい冬の日曜、地下鉄の終点になっている街まで車で出かけた。 道さえ空いていれば家から15分ほどの距離だ。 仙台市内で買物をしたりするときには、地下鉄駅の近くの100円駐車場に車を置いて地下鉄に揺られる。 地球環境に優しく、全てに公共交通機関を使うのが良さそうだけれども、家のある団地から地下鉄の駅までが片道410円、地下鉄で仙台駅まで290円もかかるので、夫婦で家から往復すると3000円のプリペイドカードも1日でほとんど使い切ってしまう。 これを思うと、遊園地のライドの何と安いこと。
地下鉄駅の周囲には歩道が整備されていて、大きなスーパーが駅と直結されている。 歩道には少し段を高くした植え込みがあって、若いアベックがそこに腰掛けている光景を良く見かける。 しばらく前、その辺りは恰好のスケートボード場になっていた。 スケボーは禁止されていたけれども、そんなことはお構いなしだ。 往来の量によっては歩行者に危険なばかりか、歩道のタイルが随分と痛んでいたので、こうした規制もそれなりに支持されていると踏んだのかどうか、 とうとう当局がスケボーの若者達を逮捕したというニュースが流れた。 そしてそれ以降、もうスケボーで遊んでいる姿は全く見かけなくなってしまった。
植え込みには季節の花が植えられているが、冬の定番はやはり葉牡丹だろう。 真っ白な葉牡丹と うすい紫色のとが等間隔に並んで咲いていた(葉を広げていた、というのが正確か・・・)。 どうも葉牡丹というと、車道に面した小さな商店の軒先で、埃にまみれて咲いている姿をイメージしてしまう。 けれども、ここのは車道からは距離があるせいか、皆どれも綺麗な顔立ちだ(私のデジカメはパンフォーカスで、これくらいの距離が一番ピントが甘い・・・ボケているのは腕のせいではありません)。 葉の広がる様子は、まるで北斎の富嶽三十六景にある波頭が砕ける絵のようだ。 北斎がこれを見たら、さっそくその場に寝転んで、葉っぱの上に想像上の船を浮かべてみたかもしれない。 そんな人を見つけても、お上は職務質問くらいはするかもしれないけれども、まさか逮捕することはないだろう。