夕焼け

石川セリは「今日はもう わけもない常備薬 ただ飲みほし 一日が終わる」〔「昨日はもう」より〕と歌っていた。あれこれ忙しくしていて、ふと窓を見たら外はもう夕焼けだったりすると、その常備薬が喉元を過ぎてしまったような気分になる。

毎日1錠ずつ常備薬を飲んで70年も生きたとすると、2万5千錠もの錠剤が必要になるけれども、よく名の知れた胃腸薬の瓶(320錠入り)に入れると80本もあれば足りるわけで、一生を通じて(最大)80回も薬局に行けば間に合う勘定になる。

擦り切れるほど聴いたレコード、表紙がボロボロになるまで読んだ本・・・

こんな夕暮れも、一生のうちで目にする回数は、案外それほど多くないのかもしれない。


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