確認テストを行う

ウェブ上で簡単な試験を実施することができます。 これをうまく使うと、受講者の理解度を確認する手段として、教員にも、学生にも、有効ではないかと思います。

確認テスト

授業中に小テストを行っている教員は多いと思います。 私もときどき紙を配って、簡単な問題に取り組ませたりしますが、それを回収して、 採点したり分析するのは、なかなか根気と手間のいる作業です。

学習達成度の確認をしたいとき、設問に対して正しい語句を解答させたり、選択問題を解かせるだけでも、 ある程度、学習者の状況が把握できるケースは多いと思います。 そんなとき、ISTUの「確認テスト」が使えるかもしれません。 パソコンが沢山並んだ演習室ならば授業中に実施することが可能ですし、 ISTUは学外からでもアクセスできますので、宿題という形もとれます。

選択形式の問題は、採点と集計が自動的に行われますので、大人数のクラスでは、この機能はとても助かります。 (その分、センター試験の作題ではありませんが、問題を工夫するのが大変な面はありますが)。

「確認テスト」の作成

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まず、コースの管理画面を開いて、授業の枠(例えば「共通教材」)を選択し、教材の管理画面(「コンテンツ一覧」)に移動します。 そこで新規を押すと、新しい教材を追加する画面に遷移します。 すでに「配布資料」の追加については説明しました。 教材の種類を選ぶリストから確認テストボタンをクリックして、確認テストの作成画面に入ります。

画面上の指示や、ヘルプを手がかりにすれば、項目を埋める作業はさほど難しくないだろうと思います。 ただ、あらかじめ、確認テストの構造を知っておくと、作業が早いかもしれません。 試しに、ダミーの確認テストを作成し、それが出題されている様子を示したのが下図です。

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原則として、テスト課題は、1つ以上の「大問」と、それぞれの大問に含まれるいくつかの「小問」で構成します。 小問だけの課題、は、作成できないようです。 そして、課題の最初と部分に「冒頭文」が入ります。冒頭文は別に空でも構いませんが、出題した際に、何となくバランス(見栄え)が悪いかもしれません。

大問と小問の順序は、後から自由に変更できますので、まずは、問題をせっせとこしらえて、後から出題順を調整するのが良いと思います。

以上を踏まえつつ、確認テストのタイトル、冒頭文、実施期間、公開期限、合格点・・・などを入力して、登録を押すと、 確認テスト(ただし、まだ中身は空っぽ)が作成されます。 「通知内容」、「通知方法」の項目の詳細については、ヘルプを参照すると良いでしょう。 これらの設定は、後からいくらでも変更できるので、最初はテキトーでも構いません。 課題の作成中は、「状態」は「非公開」にしておきます。

大問と小問を考える

次いで、テストの中身を作成します。大問は、小問を入れる箱みたいなものですので、まずは、大問をひとつ作成しておきましょう。 「確認テスト設定」の画面で、問題追加ボタンを押します(下図)

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すると、「確認テスト問題編集」の画面に変わりますので、まずは、「設問階層」を「大問」にして(はじめは「小問」が選択されています)、「問題文」の欄を埋め、最後に登録ボタンを押します。

続いて、同じく問題追加ボタンを押し、現れた問題編集の画面で、今度は設問階層として「小問」を選びます。 小問の形式として、

のひとつを小問ごとに選べます。適切な形式を選択し、引き続いて、問題文、解答方法、そして、選択肢などの情報を入れていきます。

そして、もし配点をすでに決めてあれば、配点も入れて、登録を押せば、一問できあがりです。 いくらでもやり直しが可能ですので、「軽い気持ち」で、色々と実験してみることをお勧めします。

確認テストのいちばん「ゆるい」実施スタイルは、「解答回数」を「繰り返し解答可」にして、 「通知内容」を「採点結果、正解と解説、ならびに点数を通知する。」にするやり方ですが、 学生の様子を見ていると、 (1)とりあえず解答してみる (2)正解を見て、その通りにまた入力しなおす (3)100点になるのを確認しておしまい、 という行動パターンを取るので、どうも学習効果が薄いように感じました。 このあたりもよく考えて設定するのが良さそうです。

プレビューして動作を確認する

問題が完成したら、「確認テスト設定」の画面のプレビューボタンを押して、 問題の出来上がり具合を確認できます。 さらに、プレビュー画面の右上に現れる採点ボタンを押すと、その解答に対して仕込んでおいた 正解パターンや「解説」が、受講者に対してどのように現れるのか、 画面に出してみることもできます。

確認テストの状態を「非公開」にしてあったり、期間の設定が間違っていると、教員はテストが実施可能と思っていても、 受講者の画面に問題が現れていない、といったトラブルが起こり得ます。 テストを実施する前に、「タスク切り替え▼」で「受講/教材確認」("学生モード")に切り替えて、 実際に受講者にテストが出されている状態かどうか、あらかじめチェックしておくと安心です。

採点する

自動採点はいろんな点で楽ですから、確認テストは選択式問題に限る、と、個人的には思っています。

択一選択、または、複数選択形式のみを使ってテストを作成すると、 作成時に入力しておいた配点と正解をもとに、システムが自動的に採点してくれます。 その場合、受講者が結果を「自己採点」することも可能です。 便宜上、ここでは、「自己採点モード」と呼んでおきます。 自己採点モードでは、受講者が解答を終えると、直ちに結果と解説が表示されます。 ただし、確認テストを作成するときの画面(「確認テスト情報編集」)で、「通知方法」に 「採点結果確定後、手動で通知する」を選択していると、自動通知は行われません (後述の「教員採点モード」となる)。

「確定」は、「結果の開示」と解釈するほうがしっくりくるような気がしています。

それとは対照的に、 記述式の問題を含む場合と、選択式であっても「通知方法」を「採点結果確定後、手動で通知する」に設定した場合は、 教員が採点結果を「確定」してはじめて、結果が受講者に知らされます。 ここではそれを「教員採点モード」と呼ぶことにします(私の勝手な命名です)。

どちらのモードでも、受講者にどんな形で採点結果を知らせるか(点数のみか、正解も伝えるか、など)について、何パターンか選ぶことができます。 どのパターンにするかは「確認テスト情報編集」画面の「通知内容」の項目で選択できます。 その詳細はヘルプで確認ください。

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テストを採点して「確定」したり、受講者ごとの点数を見るには、コースの管理画面で確認テスト採点ボタン(二段目・左から2つめ)を押します。 「確認テスト選択」の画面が開き、提出状況などの一覧が表示されます。 各テストについての詳細を得るには、タイトルをクリックして進みます。 すると、受講者とその状況(点数)がリストされます:

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ここで、受講者が多い場合は、表示件数を「すべて」の変更して適用ボタンを押しておくと、うなぎの寝床式に長いリストで 表示できて、操作にはかえって好都合です。

一覧表の左列のチェックボックスのチェックを入れて、一括確定ボタンを押すと、その問題についての採点が「確定」されます。 全員にチェックを入れるのは手間ですが、表の一番左上のチェックボックスを一回クリックすると、全員にチェックを入れることができます。 教員採点モードの場合、結果が確定されると、受講生が点数などが確認できるようになります。

あとから配点や正解パターンを変更した場合は、再採点ボタンを押すと、点数を再計算してくれます。

最初からエクセル形式(*.xls)のファイルでダウンロードできたほうが便利だと思うのは、私だけでしょうか。

結果が整ったところで、CSVファイル(エクセルファイル)として、結果の一覧をダウンロードすることもできます。 ExamEvaluationsList.csvというファイル名で(パソコンのしかるべきところに)保存されます。 このCSVはBOM付きのUTF-8で保存されており、これをMac版のエクセルで開こうとしたら、文字化けしてしまいました。 手動でShift JISコードに変換したら、無事開くことができました。 Windows版のエクセルでは、きっと問題無いのだろうと想像します(が、試していません)。