Windows PCでCプログラミング

Windows 7 や Windows 8 で動作するPCに、教室に近い学習環境を設定する方法とヒントを紹介します。

MinGW + gcc + TurtleEditで、Windows PCにCの学習環境を整える

Windowsが動作するPCで、手軽に(無料で)Cの学習環境を整えるにはMinGWがオススメです。 MinGWは、Windows上でGNUの開発環境を動作させるための仕組みで、色々なツール類を使うことができますので、Cの学習に限らず、 パソコンの本格的な活用を目指している方は、いちど試してみると良いと思います。

gccはGNU C Compiler

インストール方法については、〔MinGW gcc インストール方法〕などで検索すると、沢山の関連サイトを見つけることができます。 たとえば、
MinGW(GCC)の導入手順,
MinGW - gcc のインストール - Windows環境,
MinGW(gcc) の Windows へのインストールと使い方, 等々。

【重要な注意】MinGWをインストールしただけではgcc(Cコンパイラー)はインストールされません。 MinGWインストール後に、"MinGW Installation Manager"を起動して、gccのパッケージを追加する必要があります。 詳しくは、上記のウェブサイト等を参照ください。

\(バックスラッシュ)を入力するには、¥キーをタイプします。

インストールが終わったら、コマンドプロンプト上でgccが動作することを確認しておきます。 以下では、MinGWのインストール先は C:\MinGW であるとして話しを進めます。

次に、TurtleEditの設定を行います。「実行」メニューの「設定」を選び、「コンパイルコマンド」、「実行コマンド」、「追加のパス」の欄を、 以下のように設定しOKします。

コマンドとオプションの間にはスペースを忘れずに入れてください。
gcc スペース %f スペース -lm...

コンパイルコマンド: C:\MinGW\bin\gcc %f -lm -lws2_32
実行コマンド: %d\a.exe
追加の実行パス:C:\MinGW\bin

tedit-mingw-settings

これで、TurtleEditのコンパイル実行ボタンが動作するようになります。

printf() や scanf()の動作がおかしい場合は

printf()やscanf()を含むプログラムは、表示のタイミングがおかしくなる場合があります。 これは、効率化のためデータが内部メモリに一時的に溜め込まれてしまい、即時的にTurtleEditに出力されないためです。 そんな場合は、

#include <stdio.h>
main()
{
	int x ;
	setbuf(stdout,NULL) ; /* この行を追加 */
	printf("X=") ;
	scanf("%d",&x) ;
	...	
}

のように、プログラムの最初のあたりでsetbuf()関数を呼び出しておくと良いでしょう。

「亀場でプログラミング」を試すには

亀場でプログラミングのページの内容は、基本的に、MinGWの環境でも試すことができるはずですが、 例題等に使われているturtle.hはUnixやMac用のため、代わりに、Windowsにも対応した

turtlew.h

をダウンロードして、こちらをお使いください。亀場を使ったプログラムの最初のところを、

#include "turtlew.h"

main() {
   CON("localhost") ;
   ...
}

のように、turtle.hの代わりにturtlew.hとしてください。


TurtleEditでVisualStudioのCコンパイラを使う

WindowsパソコンのVisualStudioのCコンパイラをTurtleEditから使用することも可能です。 VisualStudioをそのまま使うのが一番に決まっていますが・・・

環境変数

Visual Studio関係のコマンドを使うには、PATHをはじめとして、いくつかの環境変数を設定しておく必要があります。 VSには環境設定を行うためのバッチファイル(vsvars32.bat)が含まれているようなので、それを使って、コンパイラを起動するための 簡単なバッチファイルを作成します。

Visual Studio 10の場合は以下のようになりますが、他のバージョンでは、フォルダー名が異なるはずです。 vsvars32.batの場所を確認して、適宜修正してください:

cl.bat


@call "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\Common7\Tools\vsvars32.bat"
cl.exe  %*

このバッチファイルをcl.batという名前を付けて保存します。

TurtleEditの設定

TurtleEditのアイコンをダブルクリックして起動します。「実行」メニューの中の「設定」という項目を選び、 現れたウィンドウ中の下記の項目を変更し、OKボタンを押します。

コンパイルコマンド欄
cl.batの保存先のパス\cl.bat %f
実行コマンド欄
%d\%b.exe